◆ 元の意味(古代)
力を込めて引く。引き戻す。柩を引いて葬う。
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KANJI ETYMOLOGY
ban
画数
10画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
常用漢字
扌と免を合わせ、力を込めて手前に引き寄せる動作を示す字。
ORIGIN
『説文解字』には未収であるが、『玉篇』『広韻』に「挽は引くなり」と見え、後出の形声字である。声符の「免」はかぶり物を脱ぎ、束縛を解いて引き出すさまを示し、「引き出す・抜く」意を含む。白川静『字統』は、免を冠を脱がせる古礼の所作と解し、挽は手で引き出して取り戻す動作の派生語と論ずる。藤堂明保『漢字源』は語幹「バン=引き寄せる」を据え、挽・輓・晩・免を同族関係に置く。すなわち、太陽が沈む晩、収穫を引き取る輓と通底し、いずれも「引いて手元へ戻す」意で結ばれる。古典『左伝』『漢書』には「車を挽く」「死者を挽歌す」など、車を引き、また葬送の際に柩を引きながら歌う意で用いられた。挽歌は中国の葬礼詩を起源とし、日本上古の万葉集にも継承されて死者を悼む歌の総称となった。現代日本語では「挽回」「挽歌」「水挽」「挽肉」のように、力を込めて引き戻す、また粉挽きや挽き肉のように力で擦り合わせる意で用いる。命名では「失ったものを取り戻す」やや重い含意があり、単独使用は少ないが、逆境を覆す力強さを象徴する字である。
構成要素
扌(手の動作)+免(音符・引き出す)
STROKE ORDER
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MEANINGS
力を込めて引く。引き戻す。柩を引いて葬う。
引く。挽き臼でひく。挽回する。
失ったものを取り戻す不屈の力と、力強い行動力を象徴する字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。