◆ 元の意味(古代)
烏(からす)、感嘆詞「ああ」
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KANJI ETYMOLOGY
o
画数
8画
成り立ち
象形
部首
方(ほうへん)
分類
人名用漢字
烏(からす)の象から仮借され、漢文の助辞として千古に響く一字
ORIGIN
『説文解字』巻四上「烏」字条の重文として「於」を載せ「象古文烏省」と注す。すなわち「於」は古文の「烏(からす)」字を簡略にした形であり、本来は黒鳥たる烏を象った象形字である。烏が「ああ」と鳴く擬声から感嘆詞「於戯(ああ)」の表記となり、さらに仮借されて前置詞・助辞「於(おいて)」に専用された。白川静『字統』は、金文には「烏」字が嗟嘆の語に用いられた例があり、後に「於」字に分化して助辞専用となったと説く。「於」は『詩経』『書経』以来、場所・時間・対象を示す前置詞として極めて頻用され、「生於某地」「立於朝」のごとく漢文構造の要となった。藤堂明保『漢字源』は、感嘆詞「ああ」の音を写した擬声起源を強調し、助辞用法はその延長と解する。日本では訓読で「~において」と読み下し、漢文教育の中核語として古来親しまれた。また「於菟(おと、虎の異名)」「於兎(おとと)」など固有名にも残る。命名では古典の風格と思慮深さを宿す字として、女子名「於登(おと)」「於由(およ)」など雅名に用いられ、近代までは戸籍上の女性名「於」(お、敬称)として広く用いられた。
構成要素
烏の古文の省略形(象形)
STROKE ORDER
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MEANINGS
烏(からす)、感嘆詞「ああ」
おいて。に。より。ああ(感嘆)
古雅で奥ゆかしく、場と時を見極める知性と情趣を象る
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。