◆ 元の意味(古代)
乾肉・過ぎ去った日々
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KANJI ETYMOLOGY
seki
画数
8画
成り立ち
会意
部首
日(ひ)
分類
常用漢字
重なる日々と乾肉の象から、過ぎし時を讃える「むかし」の字。
ORIGIN
『説文解字』巻七に「昔は乾肉なり。残肉の日を以て之を晞(かわ)かすに从ふ」とあり、上部の重なる線は薄く切った肉、下部の「日」はそれを天日に晒して乾かす意とする会意字と説く。すなわち昔の本字は「腊(せき)」と通じ、乾肉(ほしにく)を作る情景に由来する。白川静『字統』はこの説を踏まえつつ、上部の重なる横線は災いの水波(洪水)を表し、それを過ぎ去ったかつての日と結びつけて「むかし」の意が生じたとする別解を提示する。古代中国において洪水は記憶すべき大事件であり、それが「昔日」の語源になったとの解釈である。藤堂明保『漢字源』もまた、重ねた線は積み重ねを示し、日が幾重にも積み重なって過去となった意であると説明する。古文では「昔者(むかし)」と接尾辞「者」を伴い、過ぎし時代を回想する語として頻出する。『詩経』小雅「采薇」に「昔我往(い)きし矣(とき)」とあり、戦地に赴いた往時を懐かしむ抒情の語として用いられる。日本でも『万葉集』『古今集』以来、和歌の常套語として「いにしへ」「むかし」の情趣を担い、伝統と懐古の語感を持つ字となった。命名に用いれば、伝統への敬意と時を経て輝く重みを表す字となる。
構成要素
重なる線(積み重ね/肉/水波)+日
STROKE ORDER
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MEANINGS
乾肉・過ぎ去った日々
むかし・往時・古き良き
伝統への敬意と時の重み
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。