◆ 元の意味(古代)
明け方、東の空が白み始める時
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
sho
画数
17画
成り立ち
形声
部首
日(ひ)
分類
人名用漢字
東の空がほのかに白み始める瞬間の清新な光を写し取る字
ORIGIN
『說文解字』日部に「曙は曉なり。日に从ひ署聲」とあり、許慎は本字を意符「日」と声符「署」よりなる形声字と認める。声符「署」は本来「網を張り巡らせる」「広く区切り定める」意であり、ここでは音を仮りるとともに「広く空にひろがる」イメージをも兼ねる。白川静『字統』は、「曙」が「曉」と同義で並び立ちつつ、「曉」が高みから降る光を強調するのに対し、「曙」はむしろ地平線に拡がっていく光の面的展開を強調すると区別する。『漢字源』藤堂明保によれば、「ショ」音は「敷きひろげる」意の語根に通じ、夜明けの薄明が東の空一面にゆっくりと敷かれていく様を表すのにふさわしい音感を備えるという。文献上では『楚辞』九章に「曙」字が現れ、屈原の憂愁が暁とともに新たな日へと向かう精神的時間を象徴する。後の『文選』所収の謝朓「暫使下都夜發新林至京邑贈西府同僚」には「金波麗鳷鵲、玉繩低建章、驅車鼎門外、思見昭丘陽」と曙光を背景にした旅情が詠まれる。日本では清少納言『枕草子』の「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる」が決定的な美意識を確立し、「あけぼの」は淡く透き通る色彩の代名詞となった。現代の人名でも清新さ、希望、新しい門出を寿ぐ字として愛用される。
構成要素
日(太陽)+署(敷きひろげる声符)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
明け方、東の空が白み始める時
あけぼの、夜明け、明け始める
新たな始まりに開かれる希望と、清らかな光に満ちた爽やかな印象
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。