◆ 元の意味(古代)
蒸し器(甑)、湯気が幾重にも重なる
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KANJI ETYMOLOGY
sou
画数
12画
成り立ち
象形
部首
曰(いわく)
分類
人名用漢字
湯気を立ちのぼらせる古代の蒸し器を写し、世代の重なりを宿す字
ORIGIN
「曾」は新字体「曽」の旧字体に当たり、古文字をより忠実に伝える正字である。『說文解字』に「曾は詞の舒なり。八に从ひ從ひ囪聲」と見え、許慎は副詞用法を中心に解するが、白川静『字統』はこれを後世の用法に引きずられた解釈とし、本義はあくまで蒸し器「甑(こしき)」の象形にあると明言する。古文字を細かく見れば、最上部の「八」字状の二画は穀物を蒸すために立ちのぼる二筋の湯気を、中央の「囪」字状の囲いは蒸気を通すための格子の底板(甑底)を、下部の「曰」字状の容器は熱湯を湛える受け鍋を表しており、三段が一つの調理装置をなして立体的に図化されている。白川は古代殷周の祭祀において、蒸した穀物を神に供える行為が極めて重要だった点を指摘し、「曾」が祭祀文化の象徴的器物を語源に持つと位置づけた。『漢字源』藤堂明保も同見解を支持し、声系として「層・增・贈・憎・僧」を挙げ、いずれも「重なって積み上がる」「上へ加えていく」というイメージを共有することから、「曾」の根源的語感が「重なり」にあると確認する。意味展開上は、湯気が層を成して立ち昇る情景から、時間が幾重にも積み重なる感覚へと転移し、「かつて」「すでに」「曾祖」「曾孫」のような語が成立した。漢文・古典で重宝される字であり、日本においても文人趣味の名乗りに好まれる。
構成要素
湯気・甑底・受け器を象る象形
STROKE ORDER
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MEANINGS
蒸し器(甑)、湯気が幾重にも重なる
かつて、すでに、曾祖父・曾孫など世代を重ねる関係
代々の繋がりを大切に守り抜く、伝統と奥行きを宿した印象
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。