◆ 元の意味(古代)
人を捕らえて従わせる、屈服させる
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
fuku
画数
8画
成り立ち
会意兼形声
部首
月(つき)
分類
常用漢字
舟に人を従わせる形から、衣服・服従の意を生んだ字。
ORIGIN
『説文解字』巻八に「服、用也。一曰車右騑、所以舟旋。从舟、㔾聲」とあり、許慎は「用いる」を本義とし、舟を声符とする形声字と解した。しかし白川静『字統』はこの解を退け、字形を「舟(古くは凡)+又(手)+卩(ひざまずく人)」と分析する。すなわち手で人を抑えつけて舟に乗せ、屈服させて従わせる形であり、本来は俘虜を捕らえて使役することをいう会意字とする。のち「したがわせる→身につける→衣服」へと意味が展開した。藤堂明保『漢字源』では「凡(まるくとり囲む)+又+卩」とし、「身体に密着させる」「ぴったり従わせる」が核となる意味で、衣を身に密着させることから「ふく(衣服)」、心を主に密着させることから「服従」、薬を体内に取り込むことから「服薬」となったと説く。金文では祭祀において犠牲や捕虜を神に従わせる字として現れ、後に車右の御者、王に仕える臣下の意を含むようになった。日本では『古事記』以来「きもの」の意で用いられ、和服・洋服の語に至るまで衣冠文化の核を成す字である。命名では誠実・恭順の徳を含意するが、用例はやや限られる。
構成要素
月(舟)+又(手)+卩(人)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
人を捕らえて従わせる、屈服させる
衣服、きる、したがう、つかえる、薬をのむ
誠実に従い、信義を守る人。礼儀正しい徳の象徴。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。