◆ 元の意味(古代)
カバノキ。樹皮を松明や写本に用いた寒地の木
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
ka
画数
16画
成り立ち
形声
部首
木(きへん)
分類
人名用漢字
白き樹皮に華を冠す、北国の凛たる清廉の一字
ORIGIN
『説文解字』には収録されず、後出の字とされるが、『廣韻』『集韻』に「樺、木皮燭す可きなり」とあり、樹皮が松明として燃える木を意味した。意符「木」と音符「華(カ)」からなる形声字である。白川静『字統』は、華は花の象形であり、樹皮が薄く重なって剥がれる様が花弁の重なりに似ることから、樺の字は意符と音符が意義の上でも呼応していると指摘する。藤堂明保『漢字源』では、樺の音カは「ぱっと開く」「軽く剥がれる」音感を持ち、独特の白い樹皮が紙のように剥離する性質と結びつくと述べる。樺はカバノキ科の落葉高木で、シラカバ(白樺)・ダケカンバ・ウダイカンバなど寒冷地に多く自生し、東アジアでは中国東北部、ロシア沿海州、北海道、樺太・千島、本州中部山岳地帯に分布する。樹皮は油分を含み、古来火種・松明・舟の覆い・経典の写本料紙などに用いられた。中国唐代の宮廷儀式では「樺燭」と呼ばれる樺皮の松明が用いられ、夜間の威儀を整えた。アイヌ文化では樹皮の細工物や樹液採取が生活に深く根付いていた。日本では「樺色」という橙赤色の伝統色名を生み、樺太地名の語源ともなった。寒地に屹立する白樺の凛とした姿は、清廉・孤高・耐寒の象徴として尊ばれる。
構成要素
意符「木」+ 音符「華(カ)」。華は花の象形で剥離する樹皮の象意も
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
カバノキ。樹皮を松明や写本に用いた寒地の木
樺の木。白樺、橙赤色の伝統色「樺色」
凛とした清廉さと孤高の美。逆境に耐える芯の強さと、北国の澄明な気品
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。