◆ 元の意味(古代)
口を開けて声を出して喜び笑うこと。心が開け広がるような穏やかな喜悦。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
kin
画数
8画
成り立ち
形声
部首
欠(あくび)
分類
人名用漢字
口を開けて笑い喜ぶ姿を表す字
ORIGIN
『説文解字』巻八下・欠部に「欣は笑喜なり。欠に従ひ斤聲」とあり、人が口を開けて喜び笑うさまを示す形声字と説明される。声符の「斤」は鋭い音の象徴であり、声を発して喜ぶ意を補強する。白川静『字統』は、「欠」が人が口を開けて息を吐く形であり、「斤」を音符として加えることで喜びの感情が声となって発せられる様子を表したと解する。藤堂明保『漢字源』は、「斤」を「キン」音として音符に立てつつ、語源的には「忻(よろこぶ)」「訢(よろこぶ)」と同源で、心が開け広がるイメージを共有すると指摘する。古典では『詩経』『楚辞』に既に喜悦・歓欣の意で用いられ、漢魏六朝の文学では「欣然」「欣喜」「欣慕」など、内から湧き上がる穏やかで明るい喜びを表す語として愛用された。怒りや興奮ではなく、穏やかに微笑むような肯定の感情を含む点が「歓」「悦」と微妙に異なり、上品な喜びを表す字として後世まで重んじられている。日本でも古くから受容され、人名・諡号・寺号などに用いられて、知的で穏やかな喜びの象徴とされてきた。
構成要素
「欠(人が口を開けて息を吐く形)」+音符「斤(キン)」の形声字。
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
口を開けて声を出して喜び笑うこと。心が開け広がるような穏やかな喜悦。
よろこぶ。よろこび。「欣喜」「欣然」「欣求」など、明るく前向きな喜びを表す。
明るく穏やかな喜びを身に湛え、周囲にも笑顔を広げる柔和さと知性を象徴する字。慶事に縁ある吉字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。