◆ 元の意味(古代)
骨や脂が積み重なる、まっすぐ並べ置く
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
shoku
画数
12画
成り立ち
形声
部首
歹(がつへん)
分類
常用漢字
殖は歹+直で、死骸が積み重なる意から転じて「ふえる」「うえる」字。
ORIGIN
『説文解字』歹部に「殖は脂膏久殖なり、歺に从ひ直聲」とあり、歹(歺)を意符、直を声符とする形声字と分析される。許慎の説では脂肪や肉が長く積み重なって厚みを増す意を本義とするが、白川静『字統』はやや異なる解釈を提示し、歹は風化しかけた骨を、直は「まっすぐ立てる」「まっすぐに置く」を意味し、死者の骨を整然と積み重ね並べる、あるいは祭祀のために遺骸を真っ直ぐ安置することに殖の原義があり、そこから「物を縦に積み上げる」「数を増やす」「植え増やす」へと意味が展開したとする。藤堂明保『漢字源』は同源語に「植(うえる)」「直(まっすぐ)」「値(つりあう数値)」を挙げ、CHOKU/SHOKU系の音には「まっすぐに立てて並べる」「定まった量を継続的に積む」という共通イメージがあるとし、殖もこの音象徴を共有するとする。古典では『書経』『詩経』に「貨殖」「殖財」「樹殖」とあり、財産を増やす、作物を植えて増やす意で用いられる。『史記』には貨殖列伝があり、商売で財を増やすことを論じる。日本語では「繁殖」「増殖」「養殖」「殖産興業」のように、生命や財産を増加させる前向きな意で用いられ、明治期には殖産政策の中核語ともなった。命名でも「ふえる」「豊かに育つ」という吉義から男子名に用例があり、「殖」一字で「しげる」「もる」「たね」と訓じる例もある。
構成要素
歹(骨)+直(声符・まっすぐ立てる)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
骨や脂が積み重なる、まっすぐ並べ置く
ふえる、ふやす、うえる、繁殖、増殖
豊かに増え育ち、財産も人徳も着実に積み上げる人。生命力旺盛で繁栄を呼び寄せ、家業や事業を発展させる人物となるよう願う字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。