◆ 元の意味(古代)
尻を打つ、最後尾を守る
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KANJI ETYMOLOGY
den
画数
13画
成り立ち
形声
部首
殳(るまた)
分類
常用漢字
殿は屍(尻)+殳で、尻を打つ意から転じて殿軍・宮殿・敬称の字。
ORIGIN
『説文解字』殳部に「殿は擊聲なり、殳に从ひ屍聲」とあり、殳を意符、屍(しり・尻の原字)を声符とする形声字と説く。許慎は原義を「物を打つ音」とするが、白川静『字統』はやや異なる解釈を示し、屍は人の臀部(尻)を表し、殳(打具)と合わさって「尻を打つ刑罰」「最後尾を打って追い立てる」が原義であるとする。そこから軍隊で最後尾を守る部隊「殿軍(しんがり)」の意が派生し、さらに最後尾は本陣に最も近く重要な位置であることから、王侯の本拠である「宮殿」「殿堂」、そして高貴な人物への敬称「殿(との・どの)」へと意味が拡張したと説明する。藤堂明保『漢字源』は同源語に「臀(しり)」「澱(おり・底にたまる)」「鎮(おさえ静める)」を挙げ、TEN/DEN系の音には「どっしりと底に据わる」「重く安定する」という共通イメージがあるとし、殿が「重厚に座する建物」「威風堂々たる人物への敬称」へ展開したことと整合する。古典『春秋左氏伝』『史記』では「殿軍」「為殿」と最後尾の意で頻出し、『漢書』以降は皇帝の御殿、神を祀る殿堂を指す用例が増える。日本では奈良時代から「との」「どの」と訓じて貴人や敬うべき相手への呼称となり、『源氏物語』などに豊富な用例がある。現代でも「殿様」「殿堂入り」「神殿」「貴殿」「○○殿」と多用される。命名では「との」「どの」と読まれることは少ないが、字面の重厚さから稀に名乗り字として用いられる。
構成要素
屍/尻(声符・しり)+殳(打具)
STROKE ORDER
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MEANINGS
尻を打つ、最後尾を守る
との、どの、宮殿、殿堂、しんがり、敬称
重厚で堂々たる風格を持ち、人々から敬われる人物。最後まで責任を全うする殿軍の精神と、神殿のように揺るがぬ存在感を備えた人となるよう願う字。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。