◆ 元の意味(古代)
重しで安んずる。鎮石。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
chin
画数
18画
成り立ち
形声
部首
かねへん
分類
常用漢字
心と地を安んずる徳。
ORIGIN
『説文解字』金部に「鎭、博壓也。从金、眞聲」と立項され、広く重しで圧して安んずる義を本義とする。鎮は鎭の新字体であり、形声の構造として金を意符、眞(真)を声符に取る。眞は鼎中に充満する字源を持ち、満ちて動かざる重厚さを表象する。許慎の解はあくまで物理的圧着を示すが、白川静『字統』は字源の宗教性を重視し、古代中国において鎮石(鎮ものたるおもし石)を都城の四隅に埋めて土地神を鎮め邪霊を封じる呪儀があり、鎮はその祭祀的金具の名として成立したと論ずる。日本に伝来して鎮守・鎮魂・鎮花祭などの祭儀語を形成し、神道思想の基層語彙に深く根づいた。藤堂明保『漢字源』は眞声字族チン・シンに「内に充実して動かぬ」「中央に据えて押さえる」の共通義を見出し、鎮・填・縝・顚を同源語に整理する。派生義は鎮圧(騒擾を平定する)、鎮静(心を静める)、重鎮(一方の長として重きを成す者)、鎮台(軍政の拠点)など、武・政・医・心の各領域に及ぶ。命名にあっては、いかなる嵐にも揺るがぬ泰然たる人格、人々の不安を和らげ安らぎを与える徳、地域や組織の中心として重きを成す器量を象徴し、男児に「鎮」「鎮治」「鎮雄」などの名で愛用される。
構成要素
金(意符)+眞(声符)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
重しで安んずる。鎮石。
しずめる。鎮守。重鎮。
★泰然と人を安んずる徳、一方を担う重鎮としての器量を象徴。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。