◆ 元の意味(古代)
家の中に女性が静かに座す、やすらか
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KANJI ETYMOLOGY
an
画数
6画
成り立ち
会意
部首
宀(うかんむり)
分類
常用漢字
屋根の下に女性が静かに座す、平安と無事を象る字
ORIGIN
『說文解字』宀部に「安は静なり。女の宀の下に在るに从ふ」とあり、屋根を表す「宀」の下に「女」を置いた会意字で、家の中に女性が静かに座しているさまを描き、「やすらか」「しずか」を本義とする。白川静『字統』はこの字源説に対しさらに踏み込み、「安」は宗廟に新嫁を迎え、祖霊の前にお披露目する儀礼に基づく字とする。すなわち、新たに家に迎えた女性を屋根のある神聖な建物の中で祖先に紹介し、家族の一員として認知してもらうことで家内が安らかに治まる、その儀式の情景が「安」の原義であると説く。家の中に女性が座る情景は、古代社会において家政の安定と血脈の継承を象徴し、女性こそが家を平安にする中心的存在であるという価値観の反映でもある。藤堂明保『漢字源』は「アン」音を「按(おさえる)」「案(机にもたれおちつく)」と同系とし、心と物がどっしりと落ち着いて動かないという核義を立てる。意味は「やすい」「やすらか」を中心に、「危険がない」「無事」「たやすい」「いずくんぞ(疑問副詞)」など多方面に展開し、「安心」「安全」「平安」「安寧」「安定」など、人間の根源的な願いを表す熟語の核を担う。仏教では「安楽」「安養」が浄土を表し、儒教では「修己安人」が君子の道とされ、東洋思想全般において理想的境地を示す字となった。日本では「平安京」「安倍氏」「安心立命」などに見え、「安」は国の都の名から個人の心の在り方まで貫く根本概念である。人名では穏やかで動じない芯の強さ、家族を安らがせる温かな存在感、争いを鎮める平和的な人格を象徴し、男女を問わず古今を通じて広く愛される字である。
構成要素
宀(屋根・家) + 女(おんな)
STROKE ORDER
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MEANINGS
家の中に女性が静かに座す、やすらか
やすい、やすらか、たやすい、いずくんぞ
周囲に安らぎを与える穏やかさと、揺るがぬ平静の心
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。