◆ 元の意味(古代)
物を据えて思いを巡らす机
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KANJI ETYMOLOGY
an
画数
10画
成り立ち
形声
部首
木(き)
分類
常用漢字
思索のための机。深く考え提案する知性の字
ORIGIN
『説文解字』木部に「案は几の屬なり。木に従い安声」とある。木偏(実際は木が下部に置かれる)に「安(あん)」を音符とする形声字で、安は屋内に女が座って静かに安らぐ象であり、落ち着いて静止する意を含む。すなわち、人がその上に物を置き静かに思いを巡らす木製の台、机の意を本義とする。白川静『字統』は、安の字に屋内の安寧の象を見、案はその安らぎのもとで考えを巡らす机を意味するとする。藤堂明保『漢字源』では、安を「アン」と読み、落ち着いて据える意の音符として、物を据える木の台すなわち机を示す形声字と説く。古代中国では、官吏が文書を広げ筆をとる机を案と呼び、転じてその上で起草される文書・計画・提案そのものをも案と称するようになった。「案文」「議案」「立案」「考案」など、思索と計画にかかわる重要語の中核を担う字となった。また「思案」「腹案」のごとく心中にて練る考えをも意味し、内省と熟慮を表す精神的な広がりを持つ。日本では平安朝以来、政務・学問の机を案と呼び、現代に至るまで法案・原案・名案など公私の場で用いられている。命名に用いれば、思慮深く計画性に富み、人に道筋を示す知的指導者の素質を象徴する。落ち着きと創造性を併せ持つ理想の知性を表す字である。
構成要素
安(落ち着く音符)+木(台)
STROKE ORDER
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MEANINGS
物を据えて思いを巡らす机
机、案、計画、提案、考え
深い思慮と創造的な提案力。人を導く知性と落ち着き
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。