◆ 元の意味(古代)
争いを審らかに鎮め、澄明にする。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
sei
画数
16画
成り立ち
形声
部首
あお
分類
人名用漢字
争いを澄まし、心を鎮める旧字。
ORIGIN
「靜」は新字「静」の本字にして人名用漢字。『説文解字』青部に「靜、審也。从青爭聲」と記す。許慎は靜を、物事を審らかに見極めて落ち着くことと解し、青を意符、爭を声符とする形声字と説く。白川静『字統』は青の核心義「澄明」と、爭が両手で物を引き合う訟争の象であることを踏まえ、靜が「争いを澄まし鎮める」「乱れを糺して清浄に帰せしむる」動的意味を内包すると論じる。すなわち単なる無音の静寂ではなく、紛擾を治めて澄明なる秩序を回復する積極的な静謐である。藤堂明保『漢字源』は声系「青」族の核心義「すみきって澄明」を共有し、清・晴・精・靖・静が一大語族を成すことを再確認する。『老子』に「清靜爲天下正」と説かれ、『荀子』修身篇に「治氣養心之術」として靜を重んじ、儒道両家を通じて聖賢君子の最高徳目とされてきた。日本では旧字「靜」が人名用漢字として残り、新字「静」よりも古典的格調を帯びる字として尊重される。源義経の愛妾「静御前」、徳川将軍家の女性名にも見える由緒ある字である。命名にあっては、深沈にして揺るがぬ精神、紛擾を澄ます叡知、そして澄明なる心境に住する高雅なる人格を託す、女子名・男子名いずれにも気品ある字として用いられる。
構成要素
青(意符・澄明)+爭(声符)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
争いを審らかに鎮め、澄明にする。
しずか、しずめる、おだやか。
★深沈たる精神と澄明なる心境、紛擾を鎮める叡知を託す古典的格調の字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。