◆ 元の意味(古代)
物体が水に抱かれて沈まずに漂うこと
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KANJI ETYMOLOGY
fu
画数
10画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
常用漢字
水面に物が抱かれて沈まないさまを表す字
ORIGIN
『説文解字』水部に「浮は氾なり。水に従い孚声」とあり、本義は「水に氾(うか)ぶ」、すなわち物体が水面に沈まず漂うことである。形声の構造は意符「氵(水)」と声符「孚(フ)」からなり、声符は意味的役割も帯びている。「孚」は爪(手)と子(赤子)を組み合わせた会意で、親が手で子を抱き上げる、あるいは鳥が卵を抱いて孵化させる姿を象る象形である。白川静『字統』は、孚の核義を「抱きとる・支える」とし、浮を「水が物を抱きあげて落とさない」と説き、自然界の浮力現象を「水の抱擁」として捉える古代中国人の感性を読み取る。藤堂明保『漢字源』は、声符「孚」の核義を「ふくらんで上に出る」とし、浮を「物が水面にふくらみ出る」と説明する。本義の物理的な「うかぶ」から比喩的に展開して、「心がうわつく」(浮心・浮薄)、「定まらず漂う」(浮浪・浮雲)、「現れ出る」(浮上・浮彫)、「軽やかに楽しむ」(浮かれる)など、定着しない軽さや表面に現れる動きを広く表すようになった。仏教では「浮世(うきよ)」が現世の無常を表す重要語となり、近世日本の「浮世絵」「浮世草子」など独自の文化語彙を生んだ。両義的な字で、物理的な浮揚という肯定的イメージと、地に足のつかぬ軽薄さという否定的イメージを併せ持つ。人名としては前者を強調し、「軽やかで自由な精神」「重圧に沈まぬ強さ」を象徴する用法が一般的である。
構成要素
氵(水)+孚(爪+子、抱きあげる)
STROKE ORDER
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MEANINGS
物体が水に抱かれて沈まずに漂うこと
うく、うかぶ、うわつく、現れ出る
★困難に沈まず軽やかに浮かび上がる、しなやかな強さを持つ人
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。