◆ 元の意味(古代)
歩いて川を渡る
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
shou
画数
11画
成り立ち
会意
部首
氵(さんずい)
分類
常用漢字
水を踏み越えて歩み渡る字。
ORIGIN
『説文解字』水部に「渉は徒行して水を厲るなり。水に从ひ歩に从ふ」とあり、許慎は会意字として、水(氵)と歩(あゆむ)を組み合わせ、徒歩で川を渡る動作そのものを示す字と説く。歩の字形は止(足)二つを上下に重ねた形で、左右の足を交互に進める歩行動作を象る。すなわち渉は、舟や橋によらず自らの足で水中を踏みしめて越える行為を最も具体的に表現した字である。白川静『字統』は、古代の祭祀において水を渉ることが境界を越える神聖な行為とされ、川を渉ることが新たな領域・人生段階への踏み入りを意味したと指摘する。古代の盟誓や狩猟、軍旅の出征に際し、川渉りは禊(みそぎ)の儀礼を伴ったという。藤堂明保『漢字源』は語根を*thiap(足を踏み入れる)と推定し、「踏」「躡」と同系で、しっかり足で踏みつけて進む語感を持つとする。経書では『詩経』邶風「匏有苦葉」に「深ければ則ち厲し、浅ければ則ち掲す」とあり、川渉りの作法を説く。意味は転じて「経歴する」「広く関わる」となり「渉外」「干渉」「渉猟」など、領域を踏み越えて物事に関わる用法を生んだ。名乗りでは「わたる」「ただ」と訓まれ、自らの足で道を切り拓き、広く世間に関わる人物像を映す字とされる。
構成要素
氵(水)+歩(あゆむ)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
歩いて川を渡る
渡る、関わる、経歴する、広く及ぶ
★自力で困難を踏み越え世に広く関わる行動力
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。