◆ 元の意味(古代)
本義は川や海岸で水が集まり、舟が寄り集まる場所、すなわち港・船着き場を指す。古代中国の沿岸・河川交通の要衝として、人・物・情報が交わる結節点を意味し、単に水辺の地形だけでなく、人々の集まる賑わいの場という社会的含意を担っていた。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
Minato
画数
12画
成り立ち
形声
部首
水部
分類
人名用漢字
「湊」は「氵(さんずい)」を意符、「奏」を声符とする形声字で、水が集まり舟が寄り集う港を本義とする。人と縁が集う場の象徴として、和やかなつながりを願う一字。
ORIGIN
「湊」は篆文の段階で「水」と「奏(そう)」を組み合わせた形声字として確立した。「氵(さんずい)」は流れる水を象った象形で、川・水域・水に関わる行為を示す意符として広く用いられる。「奏」は両手で何かを捧げ進める形に由来し「すすめる・あつめる・かなでる」の意をもつが、本字では音「ソウ」を示す声符として働きつつ、人々が集まる意を補強する。許慎『説文解字』には「水上の人会する所なり」とあり、川や海の岸辺で人や舟が集まる場所、すなわち船着き場・港を本義とする。古代中国では交易・往来の要地として、湊は経済と文化の結節点であった。日本では古くから「みなと」と訓じられ、海と陸を結ぶ場所として地名・人名に多く用いられる。意味の派生として「物事が一所に集まる」「人が寄り集まる」の意もあり、「輻湊(ふくそう)」のように集中・密集を表す語にも残る。
構成要素
左の「氵(さんずい)」は流れる水を三つの点で象った変形で、水・川・水辺を表す意符。右の「奏」は両手と捧げ物の形に由来し「すすめる・あつめる」の意と音「ソウ」を併せもつ声符。両者で水が集まる場を示す形声字。
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
本義は川や海岸で水が集まり、舟が寄り集まる場所、すなわち港・船着き場を指す。古代中国の沿岸・河川交通の要衝として、人・物・情報が交わる結節点を意味し、単に水辺の地形だけでなく、人々の集まる賑わいの場という社会的含意を担っていた。
現代では港・船着き場の意のほか、人や物が一所に集まることを表す比喩的な用法でも用いられる。「湊(みなと)」は地名・人名としての使用が中心で、「輻湊」のような集中の意は専門語に残る程度である。海と陸を結ぶ温かなイメージを担う字として親しまれる。
人や良き縁が自然と集まる、温かな求心力をもった人に育ってほしいという願いを込めて用いられる。海を行き交う船を迎え入れる港のような懐の深さ、人とのつながりを大切にする心の象徴として、近年男児名で「湊」一字が高い人気を誇る。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。