◆ 元の意味(古代)
熱水、湯気立つ熱い水
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
tou
画数
12画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
常用漢字
熱く立ちのぼる湯気と命の温泉の字。
ORIGIN
『説文解字』水部に「湯は熱水なり。水に从ひ昜聲」とあり、許慎は形声字として水(氵)を意符、昜(ヨウ)を声符とすると説く。昜は日(太陽)と一(地平線)と勿(光がさしのぼる様)から成り、太陽が地平から昇って光と熱を放つさまを象り、「上にのぼる・あかるい・あつい」の語感を持つ。これに水を加えた湯は、太陽の熱を受けたかのように温められ、湯気が立ちのぼる熱水を意味する。白川静『字統』は、湯が古代中国では飲用・入浴・薬浴・祭祀の沐浴など多用途の生命に関わる聖なる水であり、また殷の建国者「湯王(成湯)」の名としても用いられたことを指摘し、王者の徳が万民を温め潤す譬喩として政治思想にも結びついたとする。藤堂明保『漢字源』は同系語として「陽(ヨウ)=日が当たる側・あたたかい」「揚(あげる)」「暢(のびやかに通る)」を挙げ、語根を*d·iaŋ(のび上がり広がる)と再構し、熱と光が上方へ立ちのぼり広がる語感を共通義とする。日本では「湯」が入浴文化と一体化し、「銭湯」「温泉」「湯治」「湯けむり」など、清浄・癒し・もてなしの文化を象徴する字となった。茶道の「湯」は侘び寂びの精神性を体現する。命名での使用は限定的だが、姓・地名・店名(湯川・湯田・湯本など)に多く、人を癒し温め、生命を養う徳を象徴する字として理解される。殷王「湯」の徳に倣い、慈愛深く民を潤す王者の名としての歴史的重みを持つ。
構成要素
氵(水)+昜(日が昇り熱を放つ)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
熱水、湯気立つ熱い水
ゆ、熱湯、温泉、湯気
☆人を癒し温める慈愛と生命を養う徳
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。