◆ 元の意味(古代)
水気を含んでしめる、じめじめした状態。
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KANJI ETYMOLOGY
shitsu
画数
12画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
常用漢字
水気が含まれてしっとりと潤う様子を示し、肥沃と恵みの含意を持つ字。
ORIGIN
「湿」は旧字「濕」の新字体で、形声兼会意文字とされる。『説文解字』水部に「濕、幽濕也。从水、㬎聲」とあり、暗くじめじめとした場所、すなわち水気が滞り陽が届かない所を意味すると説く。音符「㬎(シツ)」は、日(太陽)の下に絲(細い糸)を連ねた形で、絹糸を日に当てて乾かす際に細かい蒸気が立ちのぼり光って見えるさまを描いたもので、「微かに湿った蒸気」の語感を担う。これに「氵」を加えて、水分が立ちこめて物にしみ込む状態を表現したのが濕(湿)である。白川静『字統』は、㬎を「日光に晒される糸束」と解し、糸が湿気を吸って光るさまから「しめる」の語義が導かれたとする。藤堂明保『漢字源』では、湿は「シトシトと水分が物に染み込む」擬態語的な原義を持ち、乾の対概念として位置づけられると説明される。古代中国では湿地は稲作の発祥地とされ、湿気は単なる不快ではなく、作物を育む大地の恵みとして肯定的にも捉えられた。日本では「うるおう」と訓じ、潤滑・潤沢の語にも通じる。新字体「湿」は㬎の上部「日」と下部の糸を「一」「业」に簡略化したが、しっとりと潤いを含む字義はそのまま受け継がれている。湿原・湿潤など、生命を育む水気の充足を示す語に用いられる。
構成要素
氵(水)+㬎(日に晒された糸が湿気で光る)
STROKE ORDER
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MEANINGS
水気を含んでしめる、じめじめした状態。
湿る、湿気、潤う、湿潤。水分を含み柔らかく満ちる状態。
★潤いをもって周囲を和ませ、しっとりと豊かに育む徳の象徴。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。