◆ 元の意味(古代)
華麗に整った文様。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
ji
画数
14画
成り立ち
象形
部首
こう
分類
人名用漢字
美しく整った装飾、転じて「なんじ」を意味する字。
ORIGIN
「爾」は本来、織物や格子状に整った美しい装飾を象った象形文字である。『説文解字』巻三下に「爾は麗爾なり、猶ほ靡麗の如し。冂を從ひ㸚を從ひ、其孔㸚あるに象る。尒聲」とあり、許慎は華麗で整った様、孔の連なる織物のような姿を指すと説き、形声の要素も併せ持つとする。古来、「爾」は美しく整然とした文様や、星のごとく散らばる光輝の様を表す字であった。白川静『字統』は、字形を花や格子文様の整った形と見て、もとは美麗な文飾を意味したが、後に音借されて二人称代名詞「なんじ」、指示詞「その・かく」として用いられるようになったと述べる。白川は、本義の「美しい・盛んなさま」が「璽」「邇」などの派生字に残ることを指摘する。藤堂明保『漢字源』では、織機の縦糸が整然と並ぶ様を象ったとし、整い揃うという核となる意味から、近くにあって対する相手を指す代名詞「なんじ」へ展開したと解説する。藤堂は、爾を声符とする字群(彌・邇・璽など)に「ぴたりと近い・整う」の語義が共通することを示す。三書ともに本義は美しく整った様であり、後に仮借されて二人称や指示の語に転じたと解する点で一致する。命名においては、近く寄り添う優しさ、整った美しさ、調和の象徴として用いられる。
構成要素
象形(整った格子・文様の形)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
華麗に整った文様。
なんじ(あなた)、その、かく、近い。
★整った美しさと、人と寄り添う温かさをもつ人物への願いを込める字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。