◆ 元の意味(古代)
獣が境を侵す。
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KANJI ETYMOLOGY
han
画数
5画
成り立ち
形声
部首
けものへん
分類
常用漢字
獣が境を侵すさま。法を犯す、罪を犯すの意。
ORIGIN
「犯」は犬を意符、㔾(ハン)を音符とする形声文字で、もと獣が垣根や境界を越えて侵入することを表した。許慎『説文解字』犬部に「犯は侵すなり。犬に従ひ㔾声」と記し、犬が他の領域へ踏み込む行為が原義であったことを示す。許慎は侵と犯を同義とし、相手の領分を冒すという共通点を述べる。白川静『字統』では、㔾は人が屈んだ姿を象り、犯は犬がうずくまった人を襲う形を示すと解する。白川は古代の刑罰や闘争の場で犬が用いられた事例を踏まえ、犯が単なる物理的侵犯から法的・倫理的な「罪を犯す」意味へと拡張していった過程を論じる。さらに祭祀における禁忌を破る行為もまた犯と呼ばれ、神聖な秩序を侵すことが恐れられたと説く。藤堂明保『漢字源』は、犯の音ハンがhan・banの「押しのける・かぶさる」系列に属し、相手を抑え込み境を越えて入り込む動作を表すと分析する。藤堂は犯則・犯罪・侵犯・違犯など現代語の用例を整理し、いずれも他者の領域や規範を侵す否定的意味を共有することを指摘する。命名にはまったく用いられない忌避字である。
構成要素
犭+㔾
STROKE ORDER
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MEANINGS
獣が境を侵す。
おかす、罪を犯す。
★命名忌避字。罪を連想させるため絶対に用いない。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。