◆ 元の意味(古代)
ご馳走を見てよだれを垂らし慕うこと、貪欲。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
sen
画数
13画
成り立ち
会意
部首
ひつじ
分類
人名用漢字
羊と㳄(よだれ)を合わせ、ご馳走を見てよだれを垂らし慕う意。
ORIGIN
『説文解字』巻八下に「羨は貪欲なり。㳄に从い、羑省声」とあり、㳄(よだれ・涎の古字)を意符とし、美味なるものを目の前にして欲望を生じる意であると説く。羑省声とするが、実際には羊(美味)の象を加え、口涎を垂らす対象としての美味なものへの渇望を表す。白川静『字統』は、羨を羊と㳄との会意とし、丸々と肥えた羊を見て口がほころび涎を流すさまを直接描いた字であるとする。すなわち「うらやむ」とは、他者の幸福や美点を、ちょうど美味な羊を見るように欲し慕う心であり、ここから「羨望」「欽羨」の意が生じた。さらに「あまる・余分」の意も派生し、「羨余(せんよ)」のような熟語に残る。藤堂明保『漢字源』は、羨を羊(美味)+㳄(涎)の会意とし、よだれが垂れるほど対象を欲しがる意から、後に「うらやましい」「あまる」「墓道(玄室への通路)」などの多義に発展したとする。命名では「あこがれ・慕われる」両義を含み、女性名にやや慎重に用いられる字。
構成要素
羊+㳄(よだれ)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
ご馳走を見てよだれを垂らし慕うこと、貪欲。
うらやむ、うらやましい、あまる、墓道。
★慕われる・憧れの的。ただし「うらやむ」の負の語感もあり慎重に。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。