◆ 元の意味(古代)
髭を剃る軽い刑、また堪える。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
tai
画数
9画
成り立ち
会意
部首
しかして
分類
常用漢字
耐は髭を剃る古代刑罰の意から、苦痛をこらえる「たえる」の義に展開した字。
ORIGIN
『説文解字』㣇部の関連条に「耐は罪あり髪に至らざるを耐と曰ふ。而に従ひ寸に従ふ。寸は法度を持するなり」とあり、許慎は而(髭)を寸(手・法度)で処理する古代の刑罰、すなわち髪を剃るには至らず鬚髯のみを除く軽い髡刑を表す会意字と解した。白川静『字統』は、耐の本義はまさにこの髭剃りの刑であって、髪を全て剃る髡(コン)に対し、より軽い処分として顎髭を剃り落とすものであり、古代の体面を重んじる社会では恥辱を伴うが命に関わらぬ処置として「たえる」「こらえる」の義を派生させたとする。すなわち恥辱に堪える行為の意から、広く苦痛・困難を忍ぶ意となった。藤堂明保『漢字源』も、寸は手の動作を示し、而(髭)を手で剃り取る形から罰に堪えるの意が生じたとし、忍・堪・耐の同義語との関係を整理し、現代では「耐久」「耐震」「忍耐」と専ら忍耐の意で用いられると説く。三典を合わせれば、耐の字源は古代刑罰の具体的場面に発し、抽象的な精神力としての忍耐へと昇華した字であり、命名では困難に屈しない強靭な意志と粘り強さを象徴する。
構成要素
而+寸
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
髭を剃る軽い刑、また堪える。
たえる、こらえる、耐久。
★逆境にも揺るがぬ強靭な精神力と持久力。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。