◆ 元の意味(古代)
むね。胸郭。心の宿るところ。
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KANJI ETYMOLOGY
kyou
画数
10画
成り立ち
形声
部首
にくづき
分類
常用漢字
むね、心の宿る所を意味する字。
ORIGIN
「胸」は形声文字で、意符の「肉(月)」と音符の「匈(きょう)」とから成る。「匈」は本来、胸の象形に由来し、後に「肉」を加えて意符を明確にしたのが「胸」である。許慎『説文解字』勹部・肉部に関連記述があり、「匈は膺(むね)なり」「胸は匈に肉を加へたるなり」と説かれ、胸郭、すなわち心臓を内に収める身体前面の部位を意味するとされる。白川静『字統』は、「匈」の中の「凶」を、胸郭の骨が交差する形を象る字と解し、それに包む形の「勹」と肉の「月」を加えて、心臓を守る肋骨と肉に包まれた胸部全体を表すに至ったと解説する。さらに、古代中国では胸は「心」の宿るところ、すなわち感情・思考の座と考えられたため、「胸中」「胸襟」「胸臆」のように心の内を表す語に多く用いられたと述べる。藤堂明保『漢字源』では、「匈」を「中身を包み込む」イメージの音符とし、「胸」を「内部に心臓を抱え、肋骨で包まれた身体の前面」と説明する。古典では『詩経』『楚辞』『論語』に「胸」が見え、「胸襟を開く」「胸算用」「胸中」「成竹在胸(胸に成算あり)」など、心の内・志・度量を表す多くの熟語を生んだ。日本語でも「胸を張る」「胸を打つ」「胸が高鳴る」など、感情表現に深く根づいている。三書はいずれも、胸が単なる身体部位ではなく、心の宿る場所として精神的・倫理的意義を担ってきた点で一致する。命名では稀に「胸を張って生きる」志を込めて用いられるが、一般的ではない。
構成要素
月(肉)+匈
STROKE ORDER
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MEANINGS
むね。胸郭。心の宿るところ。
むね。胸中。心。
★広く深い心と志を持つ願い。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。