◆ 元の意味(古代)
ふところに大切なものを抱き、深く思い慕う
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KANJI ETYMOLOGY
kai
画数
16画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
胸の奥深く大切なものを抱きしめ、思い慕う温かさを宿す字。
ORIGIN
『說文解字』に「懷は念思なり。心に从ひ、褱聲」とあり、深く思い慕う心を本義とする形声字である。「懐」は「懷」の新字体で、声符「褱(カイ)」は、衣(ころも)の中に「眔(涙を流す目)」を抱き込んだ形を示し、白川静『字統』は、衣の懐に大切なものを抱き、涙を流して別離や思慕の情を抱きしめる様を象ったと解する。すなわち「ふところに抱く」物理的な動作と、「心の奥深くに抱きしめる」情緒的な作用が一体となった字が「懷/懐」である。藤堂明保『漢字源』は「カイ」系の語族として「ふところに抱きこむ」中核義を挙げ、「壊」「廻」とも通じ、すべてを内に包み込み巡らす働きと結びつくとする。『詩経』『楚辞』には「懐人」(人を思う)、「懐土」(故郷を思う)、「懐徳」(徳を慕う)の用例が多く、唐詩・宋詞では旅愁や追慕を表す主要語となった。日本では「懐かしい」「懐く」「懐妊」「述懐」「本懐」と用いられ、また「懐刀」「懐紙」のように物理的なふところとしても機能する。命名では「なつき」「なつ」「ちか」と訓じ、温かく人を惹きつける親しみやすさ、深く人や故郷を思う情の豊かさ、すべてを包み込む包容力を象徴する字として男女ともに用いられる。
構成要素
忄(心)+ 褱(声符・衣に抱く)
STROKE ORDER
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MEANINGS
ふところに大切なものを抱き、深く思い慕う
ふところ、いだく、なつかしむ、なつく、おもう、抱き持つ
人を惹きつける親しみと、すべてを包み込む温かい包容力ある人
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。