◆ 元の意味(古代)
心の奥に深く思いを留め、時を越えて呼び起こす
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KANJI ETYMOLOGY
oku
画数
16画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
心の奥深くに積もる思いを、時を越えて呼び起こす字。
ORIGIN
『說文解字』には「憶」項を欠き、本来は「意」字でもって思惟・記憶の義を兼ねていたが、後に心と意を重ねて感情・記憶の働きを強調する形声字「憶」が分立した。声符「意」は、心と音から成り、心に響く音、すなわち心中の声・思いを表す字で、白川静『字統』は、「憶」は意の働きをさらに心の奥深くに沈め、時を経ても消えぬ思念や記憶として保つ意を担うとする。藤堂明保『漢字源』は「ヨク・オク」系の語族として「奥深くに収める」中核義を挙げ、心の奥にしまい置いた思いが語源的中心と説く。『楚辞』『古詩十九首』には遠く離れた人を思う「相憶」の用例が多く、唐詩に至っては李白「静夜思」に代表される「故郷を憶ふ」「君を憶ふ」の情趣が中国詩の主要主題となった。日本でも「記憶」「追憶」「憶測」「憶念」と用いられ、単なる事実の記録としての memory ではなく、感情と結びついた心象としての思い出を意味する点に特色がある。命名では「億」と通用しつつ、「思い深い」「人や恩を忘れない」誠実さや、過去を慈しみ未来を慮る思慮の深さを象徴する字として用いられる。
構成要素
忄(心)+ 意(声符・心の声)
STROKE ORDER
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MEANINGS
心の奥に深く思いを留め、時を越えて呼び起こす
おもう、おぼえる、思い起こす、記憶する、推し量る
思い深く、人や恩を忘れぬ誠実さと、繊細な心象世界を持つ人
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。