◆ 元の意味(古代)
角ある獣のあぶら。
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KANJI ETYMOLOGY
shi
画数
10画
成り立ち
形声
部首
にくづき
分類
常用漢字
肉のあぶら。豊かさと潤いを示すが、命名には稀。
ORIGIN
「脂」は形声文字で、肉部に旨を声符として加えた字である。許慎『說文解字』巻四には「脂、戴角者脂、無角者膏。从肉、旨聲」と記され、角ある獣(牛・羊など)から取れるものを脂、角なき獣(豚など)から取れるものを膏と区別している。これは古代中国の供物・食物の分類意識を反映する厳密な定義であった。白川静『字統』では、旨は匙で味わう美味しいものを示す字であり、肉から滲み出る美味なる油分を意味するために「肉+旨」が組み合わされたと説く。すなわち脂とは、肉の中に蓄えられた濃厚な味わいの源であり、滋養と潤いを象徴する字であるとする。藤堂明保『漢字源』においても、脂は旨(うまみ・脂気)を声符兼意符として持つ形声字であり、動物の体内に貯蔵される脂肪、転じて灯火の燃料、また樹脂(やに)など粘り気のある油性物質一般を指すと解される。古来「脂粉」は化粧の意で女性の美を表し、「脂肪」「脂質」など現代医学用語にも頻出する。豊かさや潤滑を象徴する一方、命名としては「あぶらぎる」のイメージから避けられる傾向にある。
構成要素
肉(にくづき) + 旨(声符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
角ある獣のあぶら。
あぶら。やに。脂肪。樹脂。
★命名忌避字。豊潤・滋養の象徴ではあるが人名には用いられにくい。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。