◆ 元の意味(古代)
鼻で嗅ぎ取る匂い、特に獣の臭い。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
shuu
画数
9画
成り立ち
会意
部首
みずから
分類
常用漢字
鼻と犬を組み合わせ、嗅ぎ分ける鋭敏な感覚を表す字。
ORIGIN
「臭」は「自(鼻)」と「犬」から成る会意文字である。許慎『説文解字』に「臭は禽獣の走りて其の臭を知る所以なり、犬に従い自に従う」とあり、犬が鋭い鼻で獣の匂いを追跡する姿を字源とする。許慎は犬が嗅覚に最も優れた動物であり、その鼻(自)の働きを象徴的に示すために二字を合わせたと説く。白川静『字統』は、古代の狩猟文化において犬の嗅覚が獲物を発見する重要な手段であった事実を踏まえ、「臭」がもとは中立的な「におい」一般を指したが、後に悪臭の意に偏ったと論じる。白川は『書経』『左伝』の「徳の馨(かお)り」のような文脈では「臭」が芳香をも含む広義の語であった点を強調する。藤堂明保『漢字源』は「臭」を「自(鼻)+犬」の会意とし、犬の鼻で嗅ぎ取る匂いから一般のにおいへ意味が拡張したと述べる。藤堂は中古以降「香」が好い匂いを担い、「臭」が悪臭に特化した経緯を解説する。命名にはほぼ用いられない字であるが、感覚の鋭さ・本質を見抜く力という象徴性を含む。
構成要素
自(鼻)+犬
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
鼻で嗅ぎ取る匂い、特に獣の臭い。
におい。くさい。きざし。
★命名には基本的に使わない字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。