◆ 元の意味(古代)
苦菜、にがい味。
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KANJI ETYMOLOGY
ku/kurushii
画数
8画
成り立ち
形声
部首
くさかんむり
分類
常用漢字
苦菜の苦み。人生の苦難・労苦を象徴する命名忌避の字。
ORIGIN
「苦」は艸(くさかんむり)と古(コ・ク)から成る形声文字である。『説文解字』艸部に「苦、大苦、苓也。从艸古聲」とあり、許慎は苦菜と呼ばれる苦味の強い野草、すなわち和名でいうニガナの類を本義として記している。古代中国では苦菜は薬用にもされたが、口に含めば舌を刺す強烈な苦味から、「にがい」感覚そのものを表す字へと自然に転化した。白川静『字統』は、古が頭蓋骨を載せた形に由来する声符で「ふるい・かたい・しっかりとした」の語感を持つとし、苦はかたく強い味、すなわち舌を刺す苦みを表すと説く。さらに白川は、仏教伝来後この字が「四苦八苦」「苦行」「苦海」など人生の根本苦を指す宗教語として深化し、生・老・病・死の不可避な労苦を一身に背負う字となった経緯を論じる。藤堂明保『漢字源』では、古の音符に「ク=かたく口を刺激する」の語感があるとし、苦はにがい味と肉体的・精神的な苦しみの両義を兼ねる字と解説する。命名においては「苦難」「苦悩」など否定的意味が圧倒的に強く、人名忌避字の代表である。
構成要素
艸(草)+古(声符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
苦菜、にがい味。
にがい、くるしい、なやむ、つらい。
★命名忌避字。苦しみ・苦難・苦悩など人生の労苦を直接連想させ、人名には絶対に用いない。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。