◆ 元の意味(古代)
心に痛み・苦しみがあること
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KANJI ETYMOLOGY
nou
画数
10画
成り立ち
形声
部首
忄(りっしんべん)
分類
常用漢字
心の乱れと深い思索を表す字。煩悶を通じた人間理解の象徴。
ORIGIN
「悩」は心を意味する「忄(りっしんべん)」と、音符「𡿺(ノウ)」から成る形声文字である。『説文解字』では旧字「惱」として「有所恨痛也。从心𡿺聲」と記され、心に痛みや苦しみがあることを意味する字とされた。許慎は心部に分類し、心の動揺を表す字群の一つに位置づけている。白川静『字統』によれば、右側の「𡿺」は脳髄の象形ともされ、頭蓋の中で思考が渦巻く様子を表すとされる。すなわち「悩」は単なる感情の混乱ではなく、頭と心の双方で深く考えあぐねる状態を示す字である。藤堂明保『漢字源』は声系として「ノウ」音に「曲がりくねる」「巡る」という共通義を見出し、「悩」を心が屈曲し堂々巡りする様と解釈する。古典では『荀子』『礼記』などに「煩悩」の語として現れ、後に仏教漢訳経典で「煩悩(クレーシャ)」の訳語として定着し、東アジア精神文化の中核概念となった。日本では『万葉集』にも「思ひ悩む」の用法が見え、深い思索や情念の表現として尊ばれた。命名における「悩」は通常避けられるが、字源としては「深く考え、人の痛みを理解する繊細さ」を持ち、思慮深さの象徴でもある。
構成要素
忄(心)+𡿺(ノウ・脳の象形)
STROKE ORDER
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MEANINGS
心に痛み・苦しみがあること
なやむ。思いわずらう。苦しむ。
深く思索する繊細さ、人の心を理解する共感力(ただし命名には不適)
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。