◆ 元の意味(古代)
草で覆い隠す。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
hei
画数
15画
成り立ち
形声
部首
くさかんむり
分類
常用漢字
草で覆い隠すことを表す字。
ORIGIN
「蔽」は艸(くさかんむり)を意符とし、敝(ヘイ)を音符とする形声文字である。許慎『説文解字』艸部には「蔽は蔽蔽たり、小艸なり。艸に従い敝声」と記されており、本来は小さく茂った草が地を覆う様を指していた。さらに敝には破れた布で覆い隠すという含意があり、ここから「おおう」「かくす」の義が生じた。白川静『字統』は、敝が両手で布を打ち破る形に由来し、それを覆いかぶせる呪儀に通じると説き、蔽はその上に艸を加えて、神事において対象を草で覆い遮る所作を象ったものと解する。すなわち単なる遮蔽ではなく、聖なるものを外から見えなくする宗教的な隠蔽が原義に近いという。一方、藤堂明保『漢字源』は敝を「ぴたりと張りつく布」と分析し、蔽を「物にぴたりと貼りつくように覆いかぶせる草」と定義する。藤堂は同系語に「弊(おおいかぶさる弊害)」「幣(神に捧げて覆う布)」を挙げ、いずれも「覆って包む」という共通義を持つとする。後世には「隠蔽」「掩蔽」「壅蔽」など、視界や真実を遮る語に多く用いられ、転じて「ふさぐ」「妨げる」の意も派生した。命名においては「隠す」「閉ざす」という消極的・否定的義が強く、明朗を尊ぶ姓名学では忌避される字である。
構成要素
艸+敝
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
草で覆い隠す。
おおう。かくす。さえぎる。
★命名忌避字。隠す・遮るの意で人名に不適。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。