◆ 元の意味(古代)
腰から下にまとう下衣、もすそ
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
shou
画数
14画
成り立ち
形声
部首
ころも
分類
人名用漢字
腰から下を覆う下衣(裳・もすそ)を表し、優雅な衣裳の意を担う字。
ORIGIN
「裳」は『説文解字』衣部に「下帬也。从衣尚聲」と見え、腰から下に纏う下衣(裙・スカート状の衣)を本義とする形声字である。声符の「尚」は屋根の上に光がかがやく形に由来し、「上」「高い」「とうとぶ」意を含む。白川静『字統』は、「尚」を建物の上方の煙出しに神気が立ちのぼる象とし、神聖さ・高さを示すと説き、「裳」はその「上に対する下」、すなわち上衣(衣)に対する下衣を表すために、衣に尚を声符として添えた字と述べる。古代中国の礼装は「上衣下裳」の二部構成が基本で、上に着る短い「衣」と、下にまとう長い「裳」とを組み合わせて整った装束とした。『詩経』邶風には「綠衣黃裳」の名句があり、上下の衣の取り合わせが礼の正しさを象徴した。藤堂明保『漢字源』は、「尚」を「上方に高くかかげる」核義の声符と位置づけ、「裳」を「腰から下にゆったりと長く垂らす衣」と分析し、後に女性の華麗な装い「衣裳」の語を構成して、優雅・華美の語感を帯びるようになったと述べる。日本では『万葉集』に「裳裾(もすそ)」の語が現れ、貴族女性の正装である十二単の「裳」として制度化された。
構成要素
衣+尚(声符)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
腰から下にまとう下衣、もすそ
も、もすそ、下衣、衣裳
★優雅な装いと気品ある古典的美しさを象徴し、女性名に用いられることがある。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。