◆ 元の意味(古代)
上から下へ財を授け与える。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
shi
画数
15画
成り立ち
形声
部首
かい・こがい
分類
常用漢字
上位者から下位者へ財を賜る、恩賜の意。
ORIGIN
「賜」は形声文字で、意符の「貝」と声符の「易」から成る。許慎『説文解字』巻六貝部に「賜、予也。从貝、易聲」とあり、財貨を与える、特に上から下へ授与することを本義とする。意符「貝」は古代の貨幣を象り、財に関わる行為を示す。声符「易」は本来「とかげ(蜥蜴)」の象形、または日と月の組合せとも諸説あるが、「易える」「与える」の意を担う。白川静『字統』は、「易」を玉光を放つさまから「ものを賜る・授ける」意を生んだと解し、「賜」はそこに貝を加えて、君主や上位者が臣下に財貨を授与する行為を表す字であると論じる。白川によれば、古代中国の封建制度において「賜」は王から諸侯・臣下への恩寵を示す重要な政治・儀礼行為であり、土地・爵位・財宝を下賜することで君臣関係を確立した。藤堂明保『漢字源』は「賜」を「シ」音とし、「易」を「すらりと与える」象徴と捉えて、「上位者がさらりと財貨を授ける」を本義と解する。藤堂は、後世に「下賜」「恩賜」「賜暇」など、王権・天皇・神仏から授かる尊貴な贈与を表す語が広く成立した経緯を述べる。日本では宮中の儀礼語として古来重んじられ、命名では「天賦の才」「恩恵を受けた人」を象徴する字として用いられる。
構成要素
貝+易
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
上から下へ財を授け与える。
賜る、恩賜、下賜。
★天賦の才・恩寵の象徴。気品ある古風な男児名に用いられる。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。