◆ 元の意味(古代)
得た財貨を市に持ち出し、対価と引き換えに譲り渡すこと。
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KANJI ETYMOLOGY
bai
画数
15画
成り立ち
会意
部首
かい
分類
—
「売」の旧字体。財を市に出して交易する意。
ORIGIN
『説文解字』に「賣は、行きて售(う)るなり。出に从ひ、買に从ふ」とあり、許慎は本字を「出」と「買」を組み合わせた会意字と解する。すなわち買って得たものを再び外に「出」して市場で售ること、商品の流通を表す字である。白川静『字統』はこの解を踏まえつつ、上部の「𡴂(出)」は草木が地を破って生え出るかたちで、財貨が手元から外へ出ていく意象を担うとし、下部「買」は网(あみ)と貝の会意で財貨を獲得する形であると分析する。白川は、賣は得た貨を再び外へ流出させる二重の構造をもち、古代の市の制度と密接に結びついた字であると述べる。藤堂明保『漢字源』は、賣の字音バイは「外へ出す・分け離す」という語根義をもち、買(バイ)と同源で「中に取り入れる/外に放つ」という反対方向の動作を表す対の字であるとする。藤堂はこれを「貨幣を媒介として所有が移動する」現象を描いた語と位置づけ、後に売名・売国・売文など比喩的に「世に差し出す」一般の意味へ拡張したと説く。新字体「売」は士+冖+儿の略形であり、現代では常用漢字として「売」が用いられる。
構成要素
出(𡴂)+買
STROKE ORDER
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MEANINGS
得た財貨を市に持ち出し、対価と引き換えに譲り渡すこと。
うる、商う、世に出す。新字体は「売」。
★商行為・売名の語感が強く、人名にはほぼ用いられない。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。