◆ 元の意味(古代)
車の箱、人を乗せる輿。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
yo
画数
17画
成り立ち
会意兼形声
部首
くるま
分類
—
多くの手で持ち上げる輿(こし)。担ぎ上げる協働と支持の象徴。
ORIGIN
「輿」は車の本体(車箱)を意味し、もとは多くの人が手を添えて担ぎ上げる輿(こし・神輿)を表す字である。『説文解字』車部に「輿は車輿なり。車に従ひ𦥑(きょく)声」とあり、許慎は車を担ぐ箱の部分を本義とし、四つの手で物を共同で持ち上げる「𦥑」を声符かつ意符として位置づけている。白川静『字統』では、字形を分解し、上下の四手(左右二対の手)が中央の物を奉じ持ち上げる象であると説き、車の車箱のみならず、神を奉戴する神輿、また「みんなで担ぐ」という意から世論・輿論の語が派生したと指摘する。すなわち単独では運べぬ大きな存在を、多くの人が同時に支えて運ぶことに本質があるという。藤堂明保『漢字源』はこれを「同(とも)に持ち上げる」グループに属する語族とし、共・興などと音義ともに通ずる字として整理する。多人数の協働、衆議の一致、上に戴き敬うという意味合いがここから派生し、地理を担うものとしての「大地」(坤輿)、世間の声としての「輿論」へと展開した。命名にもちいる例は稀ながら、衆望を担う器・人の上に立つ徳を含意させる字として味わいがある。
構成要素
車+舁(四手)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
車の箱、人を乗せる輿。
輿(こし)、車、世間(輿論)、大地。
★多くの支えを得る、衆望を担う器量。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。