◆ 元の意味(古代)
門扉の片側。一方に寄り立つ人。
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KANJI ETYMOLOGY
hen
画数
11画
成り立ち
形声
部首
亻(にんべん)
分類
常用漢字
「偏」は人が一方の側に寄りかかる姿を表す形声文字。本来は門扉の片側を意味し、転じて「かたよる」の義となった。
ORIGIN
『説文解字』人部に「偏は頗なり。人に従ひ扁の聲」と見える。扁(ヘン)は、白川静『字統』によれば、戸(門扉)と冊(札)を組み合わせ、門扉に掲げる平たい看板を象り、「平たい・片側・薄い」の義を持つ。これに「亻」を加え、人が片側に寄って立つ姿を表したのが「偏」である。藤堂明保『漢字源』は扁の音符「平たく一方に寄る」から、人の心や姿勢が一方に偏する意を導く。『大漢和辞典』は『書経』洪範「無偏無黨、王道蕩蕩」、『中庸』第二章「不偏之謂中、不易之謂庸」を引き、儒家の中庸思想が偏を戒め均衡を尊ぶ徳論を展開したと記す。落合淳思は、戦国楚簡に既に「偏」の使用例が見え、当初は「片方・一方の側」の中立的意味であったが、漢代以降「偏向・偏見」のように負の含意を強めたと指摘。日本語でも「偏愛・偏屈」など主観的傾倒を表す語に用いられる。
構成要素
亻(人) + 扁(平たい・片側)
STROKE ORDER
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MEANINGS
門扉の片側。一方に寄り立つ人。
かたよる。ひとえに。一方に寄る。
ひとえに一つの道を究める専一さを願う字。「偏に」と読むときの「ただひたすら」の意を生かし、脇目もふらず信じる道を進む集中力と情熱を持つ人になってほしいとの想い。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。