◆ 元の意味(古代)
草が屈曲して身を覆う、しなやかに曲がる
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KANJI ETYMOLOGY
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画数
8画
成り立ち
形声
部首
宀(うかんむり)
分類
人名用漢字
屋根の下にしなやかに身をかがめる、優美と趣の象徴
ORIGIN
『説文解字』第七篇下に「宛、屈草自ら覆ふなり。宀に従ひ夗声」と説かれ、宀(屋根)を意符、夗(エン=身をかがめて寝る)を声符とする形声文字とする。許慎は「屈草自覆」と釈し、草が屈曲して自らを覆うように、しなやかに曲がりこむ様を本義とする。夗は『説文』に「轉臥なり」とあり、人が体を曲げて横たわる形であるから、宛は屋根の下で身をかがめて静かに伏す姿を表す。段玉裁注では「凡そ曲折して見える者を宛と曰ふ」と述べ、屈曲し奥深く隠れる様を抽象化した意味の広がりを指摘する。白川静『字統』では、夗は男女が体を曲げて相寄り添う形を示すとし、宛は屋内の奥に身を寄せ合う優しい趣を表すとする。そこから「あてやか・しとやか・そのまま似る」の意が派生した。『漢字源』はエン声系の語族として「曲がる・しなやか」の意を共有し、苑・婉・腕・怨などと同根とする。古典『詩経』邶風「宛兮孌兮」は若く優美な姿を称えた句、『楚辞』九歌「宛転として愁ふ」は心が曲折して悲しむ情を述べる。「あたかも」「さながら」の副詞用法は、対象にぴったり寄り添うように似る意から生じ、日本では手紙の宛名(あてな)など「向ける・差し向ける」意でも用いられる。名前に用いれば、しなやかで奥ゆかしく、相手に心を寄せる優美な人柄を表す字となる。
構成要素
宀(屋根)+夗(声符・身をかがめる)
STROKE ORDER
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MEANINGS
草が屈曲して身を覆う、しなやかに曲がる
あたかも、さながら、あてる、向ける
しなやかで奥ゆかしく、優美な感性を持つ人
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。