◆ 元の意味(古代)
屋内で祭肉を供え神を安んじる、ふさわしい
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
gi
画数
8画
成り立ち
会意
部首
宀(うかんむり)
分類
常用漢字
屋根の下に祭肉を整え、神に喜ばれよろしき調和を表す字
ORIGIN
『説文解字』第七篇下に「宜、安らげる所なり。宀の下に一に従ひ、之を多くす省く声」とあり、宀(屋根)を意符とし、内部に多(祭肉を重ねた形)を含む会意文字とされる。許慎は「安」の義で釈すが、甲骨文・金文を見ると、宜は俎(そ=供物を盛る台)の上に肉を二つ重ねた形を屋根の下に置いた象形であり、神への供物を整える祭祀儀礼に由来する。白川静『字統』はこの解釈を採り、宜は宗廟で神に肉を供えて安らかに祀る儀式を表し、神意に適い「よろしい・ふさわしい」意となったと説く。段玉裁注では「宜なる者は事の宜しきを得る所以なり」とし、適切・適宜の意の根本を示す。『漢字源』はギ声系として「ぴったり合う・調和する」意の語族とし、儀・誼・議などと同根の関係にあるとする。古典『詩経』周南「之の子帰がば、其の家室に宜しからん」は、嫁ぎ先の家に調和してふさわしく振る舞う様を称え、『書経』では「天命に宜しく」と神意に適う意で用いる。「便宜」「適宜」「時宜」など、状況に応じて最適な判断をする意で現代まで生きている。日本では「宜(よろし)」「時宜にかなう」と古典文学に多用され、和歌・俳諧でも雅な趣を示す。名前に用いれば、調和を重んじ、場にふさわしく振る舞う品性、神意にかなう穏やかな人格を表す字である。
構成要素
宀(屋根)+多(祭肉を重ねる)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
屋内で祭肉を供え神を安んじる、ふさわしい
よろしい、ふさわしい、適している
調和を重んじ、品よく場にふさわしい振る舞いをする人
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。