◆ 元の意味(古代)
手首の脈所を指す、長さの基準となる微小な尺度
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KANJI ETYMOLOGY
sun
画数
3画
成り立ち
指事
部首
寸(すん)
分類
常用漢字
手のひらの下、脈を打つ寸口の位置を一点で指し示した字。微小ながら確かな尺度の象徴。
ORIGIN
『説文解字』寸部に「寸は十分なり。人の手より卻きて一寸動脉に在る、之を寸口と謂ふ。又に从ひ一に从ふ」とあり、許慎は寸口(手首の脈所)を指す指事字と説いた。又(手の象形)に短い一画を加え、手首から指一本分離れた脈動の位置を示した形であり、長さの基準点でもあった。古代中国の医療では寸口の脈を診ることが診断の基本であり、寸はそのまま脈診の要所を指す医学用語でもあった。白川静『字統』は、又に小さな点を加えて測定の標識を示す指事字とし、計量・節度の象徴へと転化したと説く。藤堂明保『漢字源』は「ちいさく区切る」を核義とし、村・忖・吋など寸を音符とする字群を一括して、いずれも「小さく分ける」意を内包すると整理する。『礼記』には「不失尺寸」と為政の節度を説き、『荀子』には「寸而度之、至丈必差」と細部の精確さの大切さを論じた。日本でも尺貫法の最小単位「寸」として用いられ、わずかな差を見極める繊細な感覚を象徴する。さらに「寸志」「寸暇」など、慎ましやかな心配りを示す語にも生きている。
構成要素
又(手)+一(脈の位置を示す指事符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
手首の脈所を指す、長さの基準となる微小な尺度
長さの単位、わずか、ちょっとした、節度、心配り
細部にまで気を配る繊細さと、確かな基準を保つ堅実さを象徴。控えめながら芯の通った人柄を願う一字。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。