◆ 元の意味(古代)
胎児、蛇のとぐろ、十二支の第六
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
shi
画数
3画
成り立ち
象形
部首
己(おのれ)
分類
人名用漢字
胎児または蛇のとぐろを巻く形に象った、十二支の第六位の字。
ORIGIN
『説文解字』巳部に「巳は已なり。四月、陽气已に出で、陰气已に蔵る。万物見る、文章を成す。故に巳は蛇と為す。象形」とあり、許慎は巳を陰暦四月、陽気が満ちて万物が形をなす時節に配し、その姿が蛇に似るとして蛇の象形と説く。白川静『字統』は、巳の本来の字形を胎児が体を丸めて母体に宿る姿と解し、生命の発生・起源を象徴するとする。後に蛇のとぐろと結びつけられたのは、蛇が脱皮して再生する象徴性ゆえに、生命の循環を示す巳の意味と通じたためとする。藤堂明保『漢字源』も巳を「丸まった胎児の形」とし、音「シ」は「内にこもって満ちる」意の語族に属するとする。十二支では蛇に当てられ、方位は南南東、時刻は午前十時前後、月では旧暦四月を表す。古代中国では巳の月(四月)の上巳(じょうし)の日に水辺で禊(みそぎ)を行う「上巳の祓」が重要な行事であり、後に三月三日の上巳節(桃の節句)として定着した。日本でも雛祭りの起源となり、巳は浄化と新生の象徴としての側面を持つ。蛇は弁財天の使いとしても信仰され、財運・知恵・芸能の守護とされる。人名では「巳」一字や「巳之吉」「巳代子」など、十二支由来の縁起字として用いられる。
構成要素
胎児または蛇のとぐろの象形
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
胎児、蛇のとぐろ、十二支の第六
み、十二支のへび
知恵と再生の力を備え、内に強さを秘めた人。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。