◆ 元の意味(古代)
村里の中の共用の小道
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KANJI ETYMOLOGY
kou
画数
9画
成り立ち
会意兼形声
部首
己(おのれ)
分類
人名用漢字
村里の中を貫く小道を意味し、人々が交わるちまたを示す字。
ORIGIN
『説文解字』邑部に「巷は里中の道なり。共・邑に从ふ。皆ろともにする所の在(ところ)なり」とあり、許慎は巷を里(村落)の中の共同で用いる道と説き、共と邑(村)の会意とする。「共」が音をも兼ねることから会意兼形声字と解される。白川静『字統』は、邑(くに・むら)の中を皆が共に行き交う道の意とし、家々の間を縫う細い通りこそが人々の生活と交流の舞台であったと述べる。藤堂明保『漢字源』も巷を「共+邑」の会意とし、音「コウ」は「並んで連なる」意の語族に属するとする。後に楷書では下部の「邑」が「巳」のような形に簡略化され、現在の字形となった。古典での用例は豊富で、『論語』雍也篇「賢哉回也。一箪食、一瓢飲、在陋巷、人不堪其憂、回也不改其楽」は、孔子が愛弟子顔回を讃えた名文で、「陋巷(ろうこう)」は粗末な裏町を意味する。『詩経』鄭風「叔于田、巷無居人」も村里の道に人影なき寂寥を歌う。日本では「ちまた」と訓み、人々が行き交う街路、転じて世間・うわさの飛び交う場をも指すようになった。「ちまた」は「道股(みちまた)」、すなわち道の分かれ目に由来する大和言葉で、漢字「巷」と訓が結びついて定着した。
構成要素
共(共に)+邑(むら・声符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
村里の中の共用の小道
ちまた、街路、世間
人々と交わり、世の中を温かく見つめる親しみある人。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。