◆ 元の意味(古代)
長く裾を引く下衣(裳)。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
jou
画数
11画
成り立ち
形声
部首
巾(はば)
分類
常用漢字
長い裳(も)を表すもとの字。やがて変わらぬ「つね」の徳を示す。
ORIGIN
「常」は形声の字で、巾を意符とし、尚(しょう)を音符とする。『説文解字』巾部に「常は下帬なり。巾に従い尚声。裳は常の或体」と記し、もとは「裳(も)」と同字であって、長く裾を引く下衣を意味したと説明する。許慎は「常」と「裳」が古くは同義であり、長大な布を腰から下に垂らす衣であったことを伝える。白川静『字統』は、尚を「上に高く伸びる」の意の音符と捉え、巾(布)とあわせて長く床にまで及ぶ衣の意とする。後に「裳」が衣偏で書き分けられるようになり、「常」は「いつも変わらない」「恒久」の意に転用されたと述べる。藤堂明保『漢字源』は、長い布が地につくほど安定していることから、「不変」「恒常」「平常」の意が派生したと説き、人の踏み行うべき変わらぬ道、すなわち「常道」「五常(仁義礼智信)」の意にも展開したとする。『易経』に「天行健、君子以自強不息」とあるように、変わらず続くことは古代中国における最高の徳の一つであった。日本でも「常磐(ときわ)」「常世(とこよ)」と訓じ、永遠に変わらぬさまを示す。「日常」「正常」「常識」「無常」と用いられ、人の生の根幹をなす「変わらぬもの」を象徴する字である。
構成要素
巾(布)+尚(音符、しょう)。
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
長く裾を引く下衣(裳)。
つね、いつも、変わらない、平凡、恒久、人の道。
変わらぬ誠実さ、揺るぎない徳、安定した品格を宿す字。穏やかで芯のある人柄を願う名に最適。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。