◆ 元の意味(古代)
草で覆った小屋、草庵
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KANJI ETYMOLOGY
an
画数
11画
成り立ち
形声
部首
广(まだれ)
分類
人名用漢字
草屋根の小さな住まいに静寂を蓄え、隠者の風雅を宿す一字。
ORIGIN
庵は『説文解字』の本字としては立項されず、草冠を持つ「菴」を本字とする。『説文解字』艸部に「菴は草を以て覆う屋なり。艸に从い奄声」とあり、艸(草)と音符「奄(おおう)」からなる形声字である。後に广(まだれ)に置き換えた異体字「庵」が広く用いられ、現代日本ではこちらが定着している。白川静『字統』は、奄が「すっぽりと覆い包む」の意を担うことに着目し、庵を草で覆った素朴な小屋、隠者や僧侶が世俗を離れて住まう草庵と位置づける。藤堂明保『漢字源』も、奄=覆い隠す、广=屋根として、屋根を草でこんもりと覆う質素な居所を本義とし、後に隠遁・修行の住まいの象徴となったと論ずる。中国では古来、士大夫が官を辞して山中に庵を結ぶ風があり、陶淵明の田園詩、王維の輞川荘などが理想化された。日本では西行・鴨長明・芭蕉らが庵を結び、和歌・随筆・俳諧の精神的拠点とした。『方丈記』の「方丈の庵」、芭蕉の「幻住庵」などは、日本文学における庵の象徴的事例である。茶道では「○○庵」が茶室の号として用いられ、わび・さびの美学を体現する。名に用いるとき、庵は静謐で内省的な精神、風雅を解する文化的素養、世俗にとらわれぬ清らかさを示す。男女ともに用いられ、特に文芸的・芸術的な雰囲気を持つ名にふさわしい雅趣ある字である。
構成要素
广(屋根)+奄(覆う・音符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
草で覆った小屋、草庵
いおり、小さな住まい、僧や隠者の住居
静謐な内省、風雅を解する素養、世俗を超えた清らかさ。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。