◆ 元の意味(古代)
心に重く積もる慈愛、与えられた恵み
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KANJI ETYMOLOGY
on
画数
10画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
心に深く積もる慈しみ、生涯忘れえぬ恵みの記憶
ORIGIN
『説文解字』巻十下に「恩、惠なり。心に従い、因声」とあり、形声字。声符の「因」は四角い敷物の上に人が大の字に寝る形で、「もとづく・よりかかる」意を含む。白川静『字統』は、因を「茵(しとね)」の本字とし、人が敷物に身を委ねるように、心を他者に委ねて受ける情、すなわち他者から与えられて支えとなる慈愛が「恩」であると説く。藤堂明保『漢字源』は、因(イン・オン)は「重なって押す」意を持ち、心に重く積もる情の意から「めぐみ・なさけ」を表すとする。古典では『詩経』小雅「蓼莪」に「父母我を生み、鞠して我を畜う……父無くんば何ぞ怙まん、母無くんば何ぞ恃まん」と父母の恩を歌い、『孝経』では「身体髪膚、之を父母に受く、敢へて毀傷せざるは、孝の始めなり」と、恩に報いる孝の道が説かれる。仏教伝来後は『父母恩重経』『盂蘭盆経』により四恩(父母・衆生・国王・三宝の恩)の思想が広まり、報恩思想は東アジア倫理の中核となった。日本では『今昔物語集』『沙石集』などに恩義譚が多数収められ、武士道では「一宿一飯の恩義」として忠義の根拠となった。命名では受けた恵みを忘れず人に返せる、温情ある人格を願う字として親しまれる。
構成要素
心+因(声符、もとづいて積もる)
STROKE ORDER
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MEANINGS
心に重く積もる慈愛、与えられた恵み
めぐみ・なさけ・恩恵・恩義・いつくしみ
感謝を忘れず人に温かく接する、慈愛深い人柄を願う
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。