◆ 元の意味(古代)
心を尽くして細部まで弁別し尽くす
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KANJI ETYMOLOGY
shitsu
画数
11画
成り立ち
会意
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
心の隅々まで照らし、ひとつ残さず究め尽くす
ORIGIN
『説文解字』巻二上に「悉、詳らかに尽くすなり。心に従い、釆に従ふ」とある会意字。「釆(ハン)」は獣の足跡を上から見た象形で、「分け弁える・細かに見分ける」意を持つ字である(采ではない)。白川静『字統』は、釆は獣の爪と肉趾を区別して捕獲対象を識別する意であり、それに心を加えて「心を尽くして細部まで弁別する」働きを表したと解する。藤堂明保『漢字源』も、釆は「分けて区別する」意で、心が対象を細部まで漏れなく分析し尽くすさまから「ことごとく・つくす」の義を生じたとする。古典の用例として、『書経』盤庚篇「悉聽朕言」(ことごとく朕が言を聴け)、『論語』郷党篇には直接見えないが、『孟子』尽心篇に通ずる「心を尽くす」精神に近い概念が示される。仏教経典の漢訳においては、サンスクリット語のsiddha(成就)、sarva(一切)を「悉」で訳す例が極めて多く、『般若心経』『法華経』『阿弥陀経』などに「悉皆」「悉地」「悉曇」の語が頻出する。特に「悉曇(しったん)」はサンスクリット文字を学ぶ学問として日本にも伝わり、空海ら学僧が学んだ。「悉皆成仏」は天台・真言の根本思想で、すべての生命に仏性が宿るとする。日本語では「悉く(ことごとく)」が古文・現代文ともに用いられ、徹底性を示す重要語である。命名では「物事を究め尽くす学究の徒」「細やかな配慮を持つ人」を象徴する字とされる。
構成要素
釆(分け弁える)+心
STROKE ORDER
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MEANINGS
心を尽くして細部まで弁別し尽くす
ことごとく・すべて・つくす・くわしい
物事を深く究め尽くす探究心と、細やかな心配り
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。