◆ 元の意味(古代)
心が乱れ散るような深い苦痛
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KANJI ETYMOLOGY
san
画数
11画
成り立ち
形声
部首
忄(りっしんべん)
分類
常用漢字
髪が乱れ垂れる悲嘆。心を貫く深い痛切と哀傷の字。
ORIGIN
「惨」は旧字「慘」の新字体で、心を意味する「忄(りっしんべん)」と、音符「參(サン)」から成る形声文字である。『説文解字』に「毒也。从心參聲」とあり、心を毒するように苦しめることを意味する字と定義された。許慎は「毒」と訓じ、心を侵食する深い苦痛としてこの字を位置づけている。白川静『字統』は声符「參」を、頭上に三つの簪(かんざし)を挿し髪を乱した女性の象形と解し、「亂」「散る」の意を含むとする。すなわち「慘/惨」は「髪が乱れ散るほどの激しい悲嘆」「心が散り乱れる苦痛」を表す字である。『詩経』の喪礼や悲哀の詩においても、この字義との関連が窺える。藤堂明保『漢字源』も「參」声系に「混ざり乱れる」の含意を認め、「惨」を「心が痛切に乱れる」と解釈する。古典『楚辞』『古詩』では「慘怛」「慘惻」の語として、深い悲痛・哀傷の感情を表す重要語となった。後に意味は拡張し、「むごい」「ひどい」など外的事象の凄惨さも表すようになった。日本では「悲惨」「凄惨」「惨憺(さんたん)」「惨澹」など、深刻な状況や心情を表す熟語の中核字となっている。命名には通常用いられないが、字源は「人の痛みを我がものとする深い共感力」「悲しみに寄り添う繊細さ」を内包する字でもある。
構成要素
忄(心)+參(三つの簪と人の象形・音符サン)
STROKE ORDER
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MEANINGS
心が乱れ散るような深い苦痛
みじめ。むごい。いたましい。ひどい。
深い共感力、繊細な感受性(命名には不適)
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。