◆ 元の意味(古代)
波立つ心を押さえ鎮め、安らかにすること
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KANJI ETYMOLOGY
i
画数
15画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
押さえつけた心を解きほぐし、傷を癒す温もりを宿す字。
ORIGIN
『說文解字』に「慰は安なり。心に从ひ、尉聲。一に曰く、恚怒なり」とあり、心を安らかにする意と、もう一説として怒りを鎮める意の両義が記される。声符の「尉」は、もともと布を火熨斗(ひのし)で押し当てて皺を伸ばす様を表す字で、皺の寄った布を平らにするように、波立つ心を撫でて鎮めることが「慰」の核となるイメージである。白川静『字統』は、尉が「火」と「又(手)」と「尸」から成り、温めた金属で布や肌に押し当てる施術を表すとし、その物理的な癒しの所作が転じて、心の凝りや悲しみを溶かす情緒的行為に発展したと述べる。藤堂明保『漢字源』は「ウツ・イ」系の語族に属し、「押しつけて落ち着かせる」中核義を持つと分析する。『詩経』『楚辞』には弔問や哀悼の場で人を慰める用法が見られ、『漢書』では戦地の兵を労う「慰問」「慰労」が早くから定着した。日本でも「慰める」「慰安」「慰霊」「慰留」と幅広く用いられ、単なる同情ではなく、相手の痛みに寄り添い時間をかけて熱を加えるように心を癒す、能動的で温かな働きかけを意味する語として根づいている。
構成要素
尉(声符・押しあてる)+ 心(意符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
波立つ心を押さえ鎮め、安らかにすること
なぐさめる、いたわる、ねぎらう、安心させる
傷ついた人に寄り添い癒しを与える、温かく包容力のある人柄
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。