◆ 元の意味(古代)
手で優しく撫でて安らげる、慰撫する
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KANJI ETYMOLOGY
bu
画数
15画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
人名用漢字
手のひらで優しく撫で、心を慰める。慈愛と治世の徳を担う字。
ORIGIN
『説文解字』手部に「撫、安なり。手に从ひ、無聲。一に曰く、循なり」とある。安撫すること、循(したが)うように手をすべらせること、すなわち手で優しく撫でて安らげる動作を本義とする。形声字で、意符「扌(手)」が動作を、声符「無」が音を担う。無は『説文』では舞と同源とされ、神を慰める舞踏動作と関連する音符である。藤堂明保『漢字源』は、撫の核心義を「FU=平らに均す・なでる」とし、不揃いを手のひらで均し平らに整える動作と分析する。白川静『字統』は、撫を古代の聖王の徳治と結びつけ、『書経』『詩経』に頻出する「撫民」「撫綏(ぶすい)」の語に注目する。すなわち君主が民を撫で慰め、四方を安んじる行為こそ撫の本来の威儀であり、単なる物理的接触ではなく、慈愛をもって人心を安らげる政治的・宗教的所作なのである。古典では『左伝』『国語』に撫軍(軍を労う)、『漢書』に撫世(世を治める)、『楚辞』に撫剣(剣をなでさする)など、慰撫・愛撫・統治の三義に展開した。日本では「撫子(なでしこ)」が秋の七草・大和撫子の語として愛され、母性・優美の象徴となる。撫の字は、力ではなく手のぬくもりで人を導き、不安を鎮め、調和をもたらす慈愛の徳を象徴する。
構成要素
扌(手)+無(声符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
手で優しく撫でて安らげる、慰撫する
なでる、いつくしむ、慰める
慈愛のぬくもりで人を癒し、調和と安らぎをもたらす優しき徳。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。