◆ 元の意味(古代)
ほの灯る火のように静かに湧き続ける、慈しみと哀れみ
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KANJI ETYMOLOGY
ren
画数
15画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
人名用漢字
鬼火のように胸の奥でほの灯る、いとしさと哀れみの字。
ORIGIN
『說文解字』に「憐は哀なり。心に从ひ、㷠聲」と記され、哀れみ慈しむ心を本義とする形声字である。声符「粦(鄰の右側)」は、もとは戦場や墓場で揺らめく鬼火(リン火・燐火)を象り、白川静『字統』はそこから「ちらちらと揺れて消えがたいもの」の意を引き出している。哀れみの情は、激情のように燃え立つのではなく、胸の奥で静かに、しかし消し難く揺らぎ続ける情趣であり、その心理機微を「粦」の声と義が見事に捉えている。藤堂明保『漢字源』は「レン」系の語族に属し、「ちらちらと光る」「次々と連なる」中核義を持つとし、いとおしさが次々に湧いて止まない心の動きと結びつくと分析する。『楚辞』「九章」、唐詩、宋詞には「可憐」の語が頻出し、特に白居易や李商隠の詩では、儚いものへの愛おしみと哀感が表現される。中国語では「可憐」が「いとしい」「愛らしい」を意味し、日本語の「あわれ(哀れ)」と同根の美意識を形成する。『源氏物語』以来の「もののあはれ」とも親和性が高く、命名では「憐」一字で慈しみ深さや繊細な情感を表し、女児名に用いられることが多い。
構成要素
忄(心)+ 粦(声符・鬼火、揺らめく光)
STROKE ORDER
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MEANINGS
ほの灯る火のように静かに湧き続ける、慈しみと哀れみ
あわれむ、いつくしむ、いとしく思う、可憐
他者を思いやる優しさと、儚く愛らしい情感を備えた人柄
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。