◆ 元の意味(古代)
舌と鼻と心で息を整え、心身を緩めて休む
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
kei
画数
16画
成り立ち
会意兼形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
舌で息をととのえ心を静める、深い安息を表す穏やかな字。
ORIGIN
『說文解字』には独立項目を欠くが、後世の字書で「憩は息(やす)むなり」と訓じられる。字形は「舌」と「息」(自+心)から成り、白川静『字統』は、「自」が鼻の象形、「心」が心臓を示し、両者で呼吸を整える働きを表す「息」に、「舌」を加えて、舌と鼻と心を一体に静かに整える、深い休息の様を象った会意兼形声字と位置づける。藤堂明保『漢字源』は声符「舌」を「ケツ・ケイ」音と捉えつつ、「息を緩める」「気を抜いてゆるりとする」中核義を読み取る。古典では『詩経』召南「甘棠」に「勿翦勿伐 召伯所茇 …召伯所憩」とあり、徳ある召伯が木陰で憩った場所を惜しんで木を伐らないという、人と自然の親和を象徴する場面に用いられる。すなわち「憩」は単なる休止ではなく、心身の張りをゆるめて呼吸を整え、自然や周囲と調和する穏やかな安息を意味する。日本では「休憩」「小憩」「憩いの場」と日常語に深く浸透し、「憩」一字に込められる「ほっと一息つく温もりある時間」のニュアンスは古来不変である。命名では稀字ながら、穏やかさ、安らぎ、人を和ませる包容力を象徴する字として近年用例が増えている。
構成要素
舌(声符)+ 息(自+心、呼吸)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
舌と鼻と心で息を整え、心身を緩めて休む
いこう、休む、息をつく、安らぐ
周囲に安らぎを与える穏やかさと、ゆとりある心を持つ人
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。